写真の突板のサンプル板はどちらも同じ米松という木の板です。
でも左右で雰囲気が違うと思いませんか?
左は柾目という木の取り方をしたサンプル
右は板目という木の取り方をしています。
どうして同じ木なのにこのような違いが出るのかというと、
丸太から板をとるときに、年輪に対して垂直に切ると年輪がまっすぐの線で見えてきます。
その切り方が柾目という木り方です。
ところが丸太を年輪に平行に切ると、年輪のラインがうねうねと見えてきます。
これが板目といいます。
年輪をバームクーヘンに例えて想像してみるとわかりやすいです。
また、切り方によって1本の木からとれる量が異なるのですが、
見た目については柾目は年輪のラインがすっきり見えるのでシンプルに木を見せたいときは柾目を使用します。
逆に板目は木の風合いがそのまま出るのと同じ木目にならないので、ナチュラルな雰囲気に仕上げたい場合は
板目を多用することが多いです。
また以前家具屋さんで聞いた話では、日本人は柾目に価値を見出すのに対し、ヨーロッパでは板目のほうが人工的でない美しさを感じるので価値を見出していると聞きます。
好みの問題なので、どちらが良い悪いというものはありませんが、柾目のほうが板目に比べて切り出せる量が少ないため価格は柾目の板のほうが少し高いです。
またフローリングなどでは幅広い板では板目のフローリングが多く使われていますが
細い建具の格子などでは柾目を生かした材の使い方をしています。
同じ木でも見せ方で雰囲気が大きく変わるのが、無垢の木の面白いところですね。