こんにちは、ミツワの安本です。
先日、良質な吉野ヒノキや吉野杉を取り扱っていらっしゃる
「泉谷木材商店」さんを訪問してきました。
当日の全体的な様子は他のスタッフがブログに書いてくれていますので、
私は原木市場をご案内いただいた際に教えてもらった、
大変興味深い「山の手入れと、木材の『節(ふし)』にまつわるお話」をディープにお届けします!
そもそも「節(ふし)」ってなぜできる?
日本では古くから、表面にぽつぽつとした模様がない
「節なし」の美しい木材が好まれる傾向にあります。
そして、この「節なし」の木材は、「節あり」に比べてお値段も高くなります。
そもそも「節」とは何かというと、
木に生えていた「枝」の跡です。
枝が生えている部分をそのままパタンと板状に加工すると、
あの丸い節の形になります。
そのため、枝がない部分をカットすれば「節なし」の綺麗な木材ができるわけです。
しかし、木は生き物。
呼吸もすれば、葉っぱで光合成をして成長します。
木にとって枝や葉は絶対に欠かせない必需品ですから、
自然のままに育てば、
どうしても「節あり」の部分が大半を占めることになります。
では、なぜ市場にはあんなに綺麗な「節なし」の吉野ヒノキが並んでいるのでしょうか?
そこには、江戸時代から気の遠くなるような時間をかけて受け継がれてきた、
先人の素晴らしい知恵がありました。
日当たりと、職人の技「枝打ち」が生み出すブランド
森の中に入ると分かりますが、
高く伸びた木々の葉に遮られて、
地面に近い下のほうには光がほとんど届きません。
つまり、「木の下のほうにある枝は、実はあまり光合成の役に立っていない」のです。
そこで職人たちは、
木が成長するある段階で、
この下のほうの枝を綺麗に切り落としてしまいます。
この作業を「枝打ち(えだうち)」と呼びます。
枝を切り落とされた木が、
その後も年月をかけて太く成長していくと、
切り落とされた枝の跡がどんどん木の内側へと埋まっていきます。
こうして育った丸太は、
「外側の部分は、完全に節がない状態」に仕上がるのです!
吉野の山では、この手間の mucho(非常に)かかる「枝打ち」による手入れが、
江戸時代から今に至るまで本当に丁寧に、
根気強く行われてきました。
数ある日本の木材産地の中でも、
これほど徹底して手入れされている地域は一握り。
これこそが「吉野」という最高峰のブランドを生み出している理由なのです。
切り口を見れば職人の「手入れ」が丸分かり!
「丸太の切り口を見れば、その山がどれだけ手をかけられてきたか分かるんですよ」と、
泉谷さんが教えてくださいました。
木材が集まる土場(どば)には、
月に2回ほどの競り(せり)に向けて、
たくさんの丸太が並べられていました。
その丸太の表情を観察してみると、明確な違いがあります。
- 手入れが行き届いた丸太(節が少ない):
早い段階で「枝打ち」をされているため、
赤丸で囲んだような枝の跡が、
その後の成長によってすっぽり綺麗に隠れています。
こうした丸太からは、
美しく高級な「節なし・節少なめ」の材料がたくさん収穫できます。 - 枝が表に出てしまっている丸太(節が多い):
枝が表面まで見えてしまっている場合は、
木材の全体に節が出やすくなるため、
節なしの材料を取るのが難しくなります。
普段、私たちが何気なく「綺麗だな」と眺めている吉野ヒノキの一枚板。
その美しい白肌の裏には、
何十年、何百年もの間、山を守り、
一本一本の木にハシゴをかけて枝を落とし続けた
職人たちの汗と知恵が詰まっているのだと、改めて深い感動を覚えた訪問でした。
ミツワが「木の家」にこだわるのも、
こうした職人たちの想いが詰まった本物の自然素材だからこそ。
これから家づくりをされる方にも、
ぜひこの美しさと物語を五感で楽しんでいただきたいなと思います。

月に2回ほどの競りで材木屋さんが購入されています。
写真はその競りの前の準備のために丸太を並べている様子です。

赤丸の部分が節になる枝ですが、
早めに枝打ちされたので、
その後の成長によって節が隠れています。
こういう木は節が少ない材料が取りやすいそうです。

この場合節が木材全体に出るようになるので、
節無しの木材は取りにくい丸太です。

