古民家リフォームの考え方と進め方!≪その3≫

階段を吹抜けにして、もう一つの大きな吹抜けをつくることで、室内の空気が心地よく美味しい空気として対流します。

無事引越しも完了すると、いよいよ着工です。
着工してから建物の完成までは短くて半年、全面改修ですと1年近くかかることもあります。


先ず、打合せの段階でシロアリチェックは済ませていますので、仮に建物外部に蟻道があった前提で話を進めます。
私たち(株)ミツワのシロアリ対策としては、人体に無害でシロアリのみにダメージを与えるシロアリ対処を行います。そこで、私たちの提携先である「阪神ターマイトラボ」さんと現地に同行し、場合によっては予め、建物の外部周りのシロアリ処置のみを施し、工事開始後の、床を捲り基礎補強のための床下地面の筋掘りをした段階でその筋掘り箇所にシロアリ対策を行います。

その後、建物外部に仮設足場や養生ネットの設置を施し、同時に基礎補強工事を行い、土台付や貫、束、大引などの床下地が終了した段階で再度、シロアリ処理を行います。


建物解体の流れとしては、最初に既存瓦屋根とその下地にある土の撤去を屋根屋さんと大工さん合同で開始します。そして、屋根下地に構造用合板を張り巡らした上に屋根ルーフィングシートを敷設の後、軒先周りの破風板や鼻隠し板と呼ばれる部材等を取付けます。屋根仕上げが瓦の場合は瓦固定用桟木を取り付け、その上に桟瓦の設置を行います。屋根材は瓦に限らず、ガルバリウム鋼板や窯業系仕上げにすることもあります。樋の取り替えについては外部の仕上げによって施工時期は異なります。


屋根の解体が終わると、今度は大工さんによって室内の解体を進めていきます。予め再利用する部材を想定しておき、例えば玄関上り框や式台、床板、違い棚、床柱、欄間、襖、書院の内障子、木製建具、家具、等様々なものを事前に取り置きします。
リフォーム想定の室内解体は膨大な廃材が生じますので、解体や廃材処理費用もかなりかさみます。室内解体と廃材処理を終えたら、耐震補強計算に基づく基礎補強のための地面掘削を含めた基礎補強工事に入ります。


基礎補強工事は2週間から1ヶ月ほどかかりますので、平屋の建物の場合は、その間、大工さんは別の現場へ移ります。小屋裏を2階にする場合や2階がある場合にはその間、大工さんは2階の構造補強から造作作業開始です。


基礎工事が終わり、コンクリートが乾いた段階でいよいよ1階の構造補強や新たな間取りの造作工事開始です。柱や丸太梁・桁をしっかり現す真壁と呼ばれる仕上げ方の他、吹抜けや天井面のみ構造材を魅せて壁は柱を隠してしまうなど仕上げ方は様々です。

古い構造材を魅せる場合には一度、構造材の汚れ取りや洗い工事をしておきます。最終だけでは長年の汚れ取りは難しく、せっかく仕上げた壁や天井を汚してしますますので事前の構造材の洗いは大事な作業です。


私たちの住まい手の方への想いとして、1階床は下地の根太組みや合板下地張りを無くし、土台に交差する大引の上に直接、分厚い無垢板の桧や杉板を貼ります。そうすることで床を踏んだ時に下地合板からの膝への反発の無い無垢板のみの心地よい、膝への優しい負担の無い感触が伝わります。


大工さんによる造作工事の途中には、お風呂工事(ユニットバスや在来浴槽工事)や給排水汚水配管、ガス給湯器(エコキュートも)、電気配線工事も並行して進められます。このころに、外部の仮設足場の撤去も行います。
その後、キッチンや洗面化粧台、玄関収納や造り付け収納家具の取付けをします。


水回り設備機器や造作収納の設置が完了すると、必要に応じて塗装工事、それから壁や天井のローラー漆喰、珪藻土、和紙クロスなどの仕上げ工事となります。このころから屋外の外構工事も開始します。


内装仕上げが終わると建物全体の美装工事をします。そして、便器の設置や照明器具の取付け、インターホン、スイッチ・コンセント、リモコン類の取付けが行われ、それを終えると、床や建具、造作家具などの最終WAX仕上げ(私たちは浸透性自然塗料でWAXします)で、建物は完成です。


途中、工務店としての社内検査や建物の完了検査の後、外構工事も含めた住まい手のお客様も交えた施主検査を行うことで全てのリフォーム工事は完了します。


この造り方の流れによって、ビニールクロスや樹脂系建材の無呼吸素材を使わない、元来の田の字の古民家が回遊同線で調湿作用や自然の呼吸をするひとがストレスを溜めない心地よい新たな木の家の誕生となります。

私たちの古民家リフォームの考え方と進め方は、建物や住まい手の想い、私たちのお客様への想いによって色々変わりますが、おおよそは以上の≪その1≫≪その2≫≪その3≫で完結します!