先日、夏から工事をしていた大規模耐震リフォーム工事のAさんの家のお引き渡しをさせていただきました。
Aさんの家は、中古の家を購入されたのですが、耐震診断の結果耐震性がかなり低いことがわかり間取り変更を含めた大規模耐震リフォームをすることになりました。
耐震性は低いものの元々の家は、基礎のクラックも少なく、骨組みの木も良質なものを使われており、内部は良い状態でした。
補強計画は1階の多くの壁を補強して、基礎も新たに作る箇所があったため1階はスケルトン状態まで解体。
2階も、多くの壁を補強して耐震性の一つの指標である、耐震評点1以上を確保しました。
そのうえで、昔の間取りで今のライフスタイルに合わないところを改善するため特に1階は間取りを大きく変えました。
キッチンやリビングの位置を変更しますが、その際は大きな空間が必要。ということは壁を減らさないといけないのです。
そのまま減らしたのでは耐震リフォームの意味がないため、詳細な耐震補強計画を修正しながら減らした壁の分を
ほかの壁で補うなどして、バランスよく補強計画を組んだうえで間取り変更を行いました。
また、昔の家ではありがちな急な階段も、緩やかに架け替え、シューズクロークなど今どきの収納を確保して
もともとの家にあった良いところも活かしながらのリフォーム計画を立てました。
そして内部は、ナラの突板のフローリングにグレー基調のクロスを合わせ、キッチンはダークな色合いのTOTOのクラッソを設置しました。そのキッチンのダイネットカウンターは制作家具で設え、人工大理石の天板に特性強化ガラスをフード前に取り付けました。そのため、お手入れしやすい開放感あるキッチンに仕上がりました。
リビングには、吉野ヒノキの無垢板の天井を貼っていますので、ほのかに桧の香りが漂い質感あるアクセントになっています。
また、リビングや玄関収納にはタモと吉野杉のオーダー家具による収納も取り付けるとぐっと雰囲気良くなりました。
少し狭かった浴室も1坪サイズの大きさを確保して、限られたスペースを工夫して収納を増やした洗面所は合理的な収まりにすることができました。
2階はもともと大きめのホールのような空間がありましたが、あえて先に区切らず、今後のライフスタイルに応じて間仕切りができるように、先に電気工事を済ませてあります。
家は、引っ越しで終わりではなくそのあと後の性格は何十年と続きます。
オーダーでの家づくりは何でもできるのですが、最初にすべてを作ってしまうのではなく、あえて余白を残し住みながらその余白を考えていくほうが、無駄なく寄り良い家づくりにつながります。
特にお子さんに関する箇所は、どうしても力を入れがちですが、成長していずれは巣立っていくことを見越しての計画が非常重要です。
Aさんの家も、今後を見据えた計画になり、住みながら育て甲斐のある家になっています。
大規模リフォームのため新築並みの工期は掛かりましたが、Aさんにはとても喜んでいただきました!