炎のある暮らし

今日の日経新聞の土曜版に薪ストーブを体感できるコテージの特集が組まれていました。

私の家には薪ストーブはないのですが、前職では縁あって冬場はほぼ毎日薪ストーブの番をする機会があったり、薪ストーブの提案や施工も数多く行っていたので大阪では薪ストーブの知見はそこそこある方だと思います。

今日の日経新聞の特集の薪ストーブの写真を見るだけで見覚えのあるストーブがたくさんありました。

薪ストーブは、薪をストーブの中で燃焼して暖を取るという、単純な仕組みの暖房器具ですが、単なる暖房器具を超えた深みのある存在感があります。

灯油やガスと異なりスイッチポンで使えるものではなく、薪の調達から着火、火の守り、煙突のメンテナンスなど目をかけるべきところが数多くあります。

また、取り付け場所も選ぶため自宅への採用はハードルが高いかと思いますが、実際にその炎の揺らめきや薪のはぜる音を聞きながら過ごす時間がは何物にも代えがたいものがあります。

よくある質問に、暖炉と薪ストーブの違いを聞かれることがあります。

暖炉は、壁の一角を加工してオープンな炉の中で薪を燃やすもので、室内で行う焚火になります。

一方で薪ストーブは、鉄の容器の中の密閉空間で空気を計画に炉の中に流入(電気等のエネルギーは使わず)させて高効率で薪を燃焼させます。そのため暖炉と比べて同じ薪をくべても得られる熱量が全く異なるんですね。

とても効率よく暖を取ることができるのが薪ストーブの特徴です。

また、薪ストーブの資料で重要なのは、薪ストーブの選定も大事ですが、薪の調達が非常に重要です。

燃料となる薪となる木は大きく分けて杉や松などの針葉樹とナラやクヌギ、ケヤキなどの広葉樹に大別されます。

ざっくり言えば針葉樹は着火しやすいけれど燃えるのが速く、広葉樹は着火はしにくいけど燃え尽きるのに時間がかかります。

そのため、着火時は針葉樹などを使い、巡行運転する際は広葉樹を使うなどのテクニックがあります。

また、薪の乾燥度合いが薪ストーブの燃焼では非常に重要になります。木は伐採した直後は非常に多くの水分を含んていて、その木をすぐに薪として使用するといろいろな不具合が発生します。

デメリットとしては、未乾燥の薪を使うと煙が数多く出る、燃焼エネルギーは木材の水分蒸発に使われてしまい見た目より熱量が出ない、すすが出やすく煙突が詰まりやすくなる、などなど湿った薪はデメリットしかないのです。

キャンプなどで拾ってきた枝を燃やすと煙ばっかり出てしまう、ということを経験されたこともあるかと思いますが、未乾燥薪を燃やすとそういう状態になってしますのです。

逆に、しっかり乾燥した薪を使用して適切な空気量を調整した状態で薪ストーブを燃焼させると煙突からは思ったより煙が少ないことにびっくりされる方も多いです。少し燃やしている臭いはするけどほとんど煙が見えないということも多いです。

また、薪ストーブライフで欠かせないのは、薪ストーブ廻りでの料理です。

一番身近な料理は、焼き芋です。

薪ストーブの熱でじっくり焼き上げた焼き芋は、もはやデザートと言ってもよいくらい甘くとろんとした風合いに仕上がります。

その他にも天板付きのストーブであれば、鍋を置いて煮込み料理をしたり、鉄板を置いて焼き物をされる方もいます。

また炉の中が比較的大きいストーブではダッチオーブンを入れてのオーブン料理も可能です。

以前は、塩に魚を一匹入れて薪ストーブで焼く、塩焼きも食べたことがあります。

などなど、暖房器具の枠を超えた薪ストーブはまさに生活の一部にもなる正に薪ストーブライフとも呼ばれる生活スタイルを生み出してくれます。

導入は中々難しいとは思いますが、薪ストーブを体感できるコテージでまずは体感してみてはいかがでしょうか?

薪ストーブの炎は音もなく静かに揺らめき癒されます