鉄骨と木造の良いとこ取り?テクノストラクチャー見学会に参加

最近は木造でも大規模建築が立てられるようになり、デザインも含めて木造建築が注目されています。

その中でパナソニックが持つテクノストラクチャーという構造を採用した建物の見学会に参加してきました。

テクノストラクチャーは、柱や土台は木で、梁を鉄骨で作るという鉄と木造のハイブリッドの構造です。

木材は縦の圧縮の強度ありますが、横向きの曲げ強度は比較的苦手です。

そのため、大きな空間ではどうしても所々柱必要でした。

そこで横向きの曲げの強度が必要な梁に鉄骨を使うことにより柱を無くして大空間を作ることができるようになります。

今回、テクノストラクチャーの見学会としてお伺いしたのは、高槻市の安満遺跡公園にあるカフェCampGear & Cafe BASEさん。

室内は天井が貼られていないため梁を含めて屋根の下地も意匠的に見せる設えになっています。

そのため、完成したら見ることのできないテクノストラクチャーの鉄骨梁を見ることができます。

正直見た感じ、鉄骨梁の存在感が大きく、木造というより鉄骨と木のハイブリッドな建物という感じですが

法規上は様々な条件をクリアして、木造となっています。

そのため、木造建築としての有利な点が生かされています。

例えば、建物の荷重。

全て鉄骨になると荷重が大きいため基礎や地盤面に強度な仕様が必要ですが、そのあたりも木造ということと鉄骨梁の合理化で軽くなっているので軽減できます。

また、高度に規格化された部材を使用しているため鉄骨造よりも発注から施工までの期間を短縮することができます。

運用上も、減価償却期間が22年という木造の規定を採用でき、鉄骨の34年よりも短く設定できるため税金面も有利に働きます。

加えて、木造と違い長い梁は現場で接合することができるので、木造だと長い梁をそのままトラックで持ってくる必要があるため前の道路の幅などに制約を受ける場合でも、鉄骨の分割搬入で土地の制約を軽減することができます。

などなど、木造の良さと鉄骨の良さのいいとこ取りがテクノストラクチャーの特徴です。

住宅でもよいのですが、施設や店舗などの大規模建築で力を発揮ししそうです。

現在、計画中のお客様への提案にも生かせそうな見学会でした!

見学会会場のカフェの内観。カフェの利用でテクノストラクチャーを見ることができます。
テクノストラクチャーの構造事例。思ったより鉄骨の存在感があるため木造と言われると正直(ん?)という見た目ですが複合的なメリットが多いです。

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