老いとデザイン(住宅設備)

はい、こんにちは。嵯峨根です。

先日は立て続けに古民家改修ばなしを載せていましたが、
その工事の際に直面した住宅設備とご高齢の住まい手さんの使い方について。

キッチンコンロや洗面、ユニットバス、トイレなどの「住宅設備」は、
20年くらい前からか、色々な機能が付いた上にすっきりしたデザインの
かっこよい上位機種が売り出されてきたように感じています。

若い世代からすると「すっきりしてかっこいい!」という方向もアリかもしれませんが、
もう若くない私としては、かっこよさよりは使いやすさを、と思うことも多く、
ご高齢の住まい手さんの場合は分かりづらくならないようにと思い、
以前から使っておられた商品に近い形のものをまずご提案するようにしています。
(ユニットバスの浴槽栓をチェーン付ゴム栓にしたり、
 タッチパネルなどではなく、カチッと押すボタンのレンジフードにしたり、、、
 特にタッチパネルだと指先の乾燥具合でも反応しやすさが変わるようですし。) 

今回の古民家改修の際にも、
そのように思いながら選んでご提案・説明して発注を進めたわけですが、
お引渡し後に実際お客様と話をしていると、
「新しいから分からない。」
「新しくなったものを下手に使って壊したくない。」
「取扱い説明書を読んでから使おうと思っているから、今はまだあまり使っていない」
、、、というように、こちらが思っている以上に、
新しい住宅設備と住まい手さんとの間に距離が生じていたことを後から知りました。

今回は対応としては、マスキングテープで文字を
書き添えての対応でお使いいただくことになりました。
そういった文字でも大きく書いておく方が、新しい設備に慣れるまでだけでなく、
使い方を忘れてしまった時にも使い手にやさしいのだな、と考えています。

住宅という暮らしの「器」に、住まい手さんの「暮らし」をどう納めていくのか、
住まい手さんのご年齢やご意向によって、寄り添い方を変えていかねばと考えています。

私自身、目を酷使してきたからか、すでに老眼がひどくて小さな文字が見えづらいので、
「老い」との付き合い方を丁寧にしていきたい、と感じています。